札幌七福神

−ありがたや〜 七福神−

2003年12月26日 北海道新聞 朝刊 から


 恵比寿さんや大黒さんでおなじみの七福神。商売繁盛の縁起物で有
名だが、本来は新年にこれをまつる社寺を巡拝すると、七つの福徳を
授かり、七つの災難から逃れられるという民間信仰による。全国には
約三百の七福神霊場があり、その最北に位置するのが「北の都 札幌
七福神霊場」年始にはバスツアーも走る、知る人ぞ知る人気スポット
だ。内外多事の一年を振り返りつつ、新しい年への期待を込めて、七
福神を訪ねた。                 
                        (寺町 志保)
    札幌に最北の霊場 新年に巡れば「縁起いい」
 
 七福神信仰は室町末期、日中印の神々が組み合わさって生まれた。
江戸時代には徳川家康の政治指南役・天海僧正が推奨し、庶民の間で
大流行。七福神の乗る宝船の絵を枕の下に置き、開運を願うのはよく
知られている。
 もとは「仁王経」の一節「七難即滅 七福即生」に由来する。七難
は、火難・水難や刀杖難(争い)などを指し、これを消滅すれば富や
健康、度量などを授かるという。
 札幌では1986年、真言宗の若手住職が集まり、霊場を開いた。

 霊場会事務局(011・669・6666)を務める西区・金毘羅密寺の細
野齢邦住職は「道内は宗教文化が希薄なので、何とかこれを興したか
った」。 現在は、五寺に七体をまつっている。
 霊場巡りでは各寺の印を集めて回る(有料)。いわばスタンプラリ
ー感覚か。ほかに北海道十三仏、北海道三十三観音、北海道三十六不
動などの霊場が開かれている。
 正月に札幌七福神巡りのツァーを主催している近畿日本ツーリスト
(011・210・8741)によると、若いカップルから年配者まで、例年
百人を超す参加者があるという。来年は一月三日と十日の開催だ。
 七福神巡りは正月に限らない。金毘羅密寺を訪ねた際に出会った札
幌近郊の七十代の夫婦は、息子の交通事故がきっかけで霊場巡りを始
めたという。「今は、なぜテロやいさかいが起きるのか、自問しなが
ら回っている」
 細野住職は「表層的な願いから深い祈りまで、仏は受け入れてくれ
る。身近な霊場がその入り口になれば」と話した。

新聞の写真をスキャンしてみました。
弁財天 寿老人 福禄寿
恵比寿 毘沙門天 大黒
布袋

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