2012年02月09日「北海道新聞」朝刊より |
小樽・住吉神社 江戸期の馬具12種 |
金粉など華麗な装飾 専門家招き調査へ
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【小樽】140年以上の歴史を持つ小樽市住ノ江の住吉神社で昨年、江戸時 代に制作されたとみられる和鞍などの馬具12組が見つかった。昭和30年代ま で祭りで使われていたものだが、これだけ多くの古い馬具がまとまって保管 されていたのは、全国的にも珍しいという。神社は、近く専門家を招き、調 査を予定している。 馬具は昨年4月、神社の蔵で見つかった。木製の和鞍のほか、革などでで きた鞍下や障泥と呼ばれる泥よけも一緒に保管されていた。現在、住吉神社 には馬を使っての行事はないが、明治期から昭和30年代前半まで、夏の例大 祭で宮司や市内の名士らが神馬で街を練り歩いていた。馬具はその際に使わ れていたという。 星野昭雄宮司が昨年12月、横浜市の「馬事文化財団」に写真を送り調査を 依頼したところ、鞍の形などから江戸中−後期の制作と推定されるとの回答 があった。 財団の末崎真澄学芸部長は「和鞍だけでなく障泥なども合わせて12組も一 度に見つかった例は全国的にも珍しい」と話す。 和鞍には貝殻の真珠質の部分を使った装飾「螺釦」や金粉が施され、障泥 と模様が対になっている。 長年の使用で傷みが目立つことから、末崎学芸部長は、修理した上で保存 することを勧めており、神社は月内に専門の職人を首都圏から招いてあらた めて調査することにしている。 住吉神社は1868年(明治元年)に創建され、1898年に現在地に移 転。北前船の船主が灯龍などを奉納したとされる。星野宮司は「どのような 形で鳥貝が小樽に入ってきたのかなど、歴史的経緯も知りたい」と話している。 |