2013年3月04日「北海道新聞」夕刊より  
17年がかり 277社網羅 
「樺太の神社」発刊 
北海道神社庁 戦前の写真や絵も
 
 終戦まで日本領だった南樺太(サハリン南部)にあった神社を網羅した「樺太の神社」

を北海道神社庁が発刊した。貴重な戦前の写真や絵画のほか、現在の様子についても現地

のロシア人研究者の協力で紹介している。

 1996年から3年間、ロシア・サハリン州の州都ユジノサハリンスク(豊原)の旧樺

太神社跡地で日口戦没者慰霊祭を行ったことをきっかけに調査を開始。山田一孝・静内神

社宮司らが中心となり17年がかりでまとめた。

 樺太の神社は江戸時代からあり、戦前の地形図や元島民らが残した市街地見取り図など

を基に調査。南は稚内対岸の自主(クリリオン)から、北は旧日露(ソ)国境線近くの安

別(ボズウラシチエニエ)までの計277社を収録した。

 サハリン州郷土博物館のロシア人研究者の協力で、現在も一部の神社跡に残る鳥居、ち

ょうず鉢、参道などの写真や論文(日本語訳)も掲載した。45年の旧ソ連占領後の旧ソ連

民政局長が残した回顧録(同)、日本時代の寺院についても報告している。

 山田宮司は「これほど多くの神社が南樺太にあったとは思わなかった」と話す。

 B5判854㌻。発行部数は千部。近く道内の主要図書館などに寄贈する。一般向けに

販売もしている。定価1万500円。問い合わせは神社新報社(東京)

                             ℡ 03-3379-8211へ。

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