2013年5月11日「北海道新聞」朝刊より  
ご神体「帰宅」厳かに 
出雲大社、60年ぶり本殿遷座祭
 
 島根県出雲市の出雲大社で10日夜、改修された国宝の本殿に、供殿からご神を戻す「本

殿遷座祭」が1953年以来、60年ぶりに行われた。

 2008年に始まった「平成の大遷宮」の最重要行事。ご神体が本来の場所に戻るため

「よみがえり」の意味もあるという。

 午後7時から始まり、1万2千人が参列。暗がりの中、神職が恢殿に祭られていたご神

体をみこしに載せ、「絹垣」という白い布で覆い、総勢約260人の列が本殿までゆっく

り進んだ。本殿に到着し、ご神体が鎮座すると、神職がこれを告げた。

 大国主大神を祭る出雲大社の大遷宮は約60~70年ごとに行われ、1744年(延享元年

)に現在の本殿が造営されて以降、今回で4回目。08年4月から5年がかりで、本殿の槍

皮ぶき屋根や棟飾りなどが一新された。

 千家尊祐宮司は「遷宮を通して伝統文化のよみがえりが図られ、未来へのさらなる始ま

りとなるよう一層努めたい」と話した。
 
本殿遷座祭

 約60年に1度行われる大遷宮の最重要行事。本殿の修復工事のため、2008年4月20
日の「仮殿遷座祭」で供殿に〝引っ越し″したご神体を本殿に戻す。遷宮には神様も人も
心を一新する「よみがえり」の意味があるとされ、天皇の勅使のほか、全国の氏子や縁故
神社の神職、工事関係者も参列する。前回の「昭和の大遷宮」 (1953年)でも同じ
5月10日に営まれた。

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